運行指示書とは?作成義務・記載事項を解説

運行指示書とは?作成義務・記載事項を解説

運行指示書は長距離運行で携行義務がある法定帳票です。作成義務が生じるケース、記載すべき7項目、未作成時の行政処分、保存期間をドライバー視点でわかりやすく解説。優良会社の見分け方も紹介。

この記事でわかること

  • 運行指示書は2泊3日以上の運行で、対面点呼ができない場合に作成義務がある
  • 運行指示書には経路・休憩地点など7つの必須項目があり、途中変更時は追記が必須となる
  • 優良な運送会社は運行指示書の運用が適切で、出庫直前の走り書き交付は避けるべきと判断できる

まず結論:運行指示書とは長距離運行で携行が義務付けられた帳票

運行指示書とは、貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条の3で定められた法定帳票です。運行管理者が作成し、運転者が運行中に携行します。

作成義務が生じるのは、原則として2泊3日以上で乗務前後の点呼を対面でできない運行です。単純な日数ではなく対面点呼の可否で判断します。

正副2部を作成し、運転者は副本を携行、営業所は運行終了日から1年間保管します。

未作成や記載不備は行政処分対象で、初違反は警告、再違反は10日車です。次の長距離運行で副本を受け取り、中身を確認することから始めましょう。

貨物自動車運送事業輸送安全規則(e-Gov法令検索)で根拠条文を確認できます。

運行指示書の作成義務が生じる3つのケース

ケース1は、運行開始から終了まで2泊3日以上で、乗務前後の点呼を対面でできない運行です。

ケース2は、当初は対面点呼可能で計画していたが、途中の運行変更で2泊3日以上になった場合です。

ケース3は、中間点呼が必要となる運行で、運行管理者が遠隔で指示を出す必要がある場合です。

境界判定でつまずきやすいのが、早朝5時発・3日目深夜23時帰庫のようなケース。日数ではなく対面点呼の可否で判定します。

迷ったら運行管理者に確認するのが最短ルートです。形式的な日数で自己判断しないことが重要です。

運行指示書に必ず記載すべき7項目

法令で定められた記載事項は次の7項目です。出庫前に副本でチェックしましょう。

  1. 運行の開始・終了の地点および日時
  2. 乗務員の氏名(交替運転者を含む)
  3. 運行経路と主な経過地における発車・到着の日時
  4. 運行に際して注意を要する箇所の位置
  5. 乗務員の休憩地点および休憩時間
  6. 乗務員の運転または業務の交替地点(交替がある場合)
  7. その他運行の安全を確保するために必要な事項

特に4の注意を要する箇所は、事故多発地点や急勾配など安全に直結する情報です。空欄なら運行管理者に確認しましょう。

作成・携行・保管の流れと運行途中で変更が出たときの対応

運行管理者が出庫前に正副2部を作成します。正本は営業所控え、副本は運転者が携行します。

運転者は運行中、副本を車内に常備し、点呼や監査ですぐ提示できる状態にしておきます。

途中で経路や休憩地点が変わった場合は、運行管理者が電話等で指示を出し、運転者・営業所の双方で指示書に追記します。電話のみで紙に残さない運用はNGです。

運行終了後、副本は営業所に返却し、運行終了日から1年間保管します。

電子データでの作成も可能ですが、運転者が運行中に提示できる状態(紙またはタブレット)で携行する必要があります。

未作成・不備時の行政処分と運行計画書・運転日報との違い

初違反は警告、再違反は10日車の行政処分が課されます(国土交通省の行政処分基準)。

悪質な未作成や記載漏れは集中監査の対象です。軽井沢スキーバス事故後の監査でも違反多発が報告されました。

混同しがちな3帳票の違いを整理します。

  • 運行指示書:法定帳票で長距離運行時のみ作成義務
  • 運行計画書:任意の社内文書
  • 運転日報:運行終了後の記録

作成タイミングと目的がそれぞれ異なります。監査時は3帳票が揃っているかが運行管理体制の評価ポイントになります。

詳しい処分基準は貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為(国土交通省)で確認できます。

様式テンプレートの入手先と記入例

各都道府県のトラック協会が、無料で公式様式を配布しています。長野県・愛知県・徳島県などが代表例です。

ExcelとPDFの両方の様式があり、自社用にカスタマイズして利用できます。

記入例では、運行経路を国道番号・SA/PA名・経過時刻まで具体的に書くのが望ましいです。

「注意を要する箇所」は、事故多発地点・急勾配・冬期路面凍結区間などを具体的に明記します。

テンプレを使う際は、最新の輸送安全規則改正に対応しているか発行年月を必ず確認しましょう。

ドライバー視点|運行指示書の運用品質で見抜く優良運送会社の特徴

面接でぜひ聞いてほしい質問があります。「2泊3日以上の運行時に、運行指示書はどのタイミングで渡されますか」と。

副本が出庫直前に走り書きで渡される会社は、運行管理体制が脆弱な可能性が高いです。

途中変更時に「電話だけで指示書の追記がない」運用は監査リスクが高く、事故時の労災判定にも影響します。

電子化(タブレット運用)が進んでいる会社は、労務管理・帳票管理のIT投資意欲が高い傾向があります。

不備に気付いたら運行管理者にその場で確認し、改善されない場合は労働基準監督署や運輸支局への相談ルートがあることを覚えておきましょう。

運行指示書に関するよくある質問

日帰りや1泊2日でも作成は必要?

原則不要です。ただし対面点呼ができない運行では、別途指示書相当の書面が必要になります。

ドライバーが書くもの?

作成義務は運行管理者にあります。ドライバーの役割は内容確認と携行、途中変更時の追記です。

電子化(PDF・タブレット・スマホアプリ)でも問題ない?

運行中に提示可能な状態であれば認められます。紙でもタブレットでもOKです。

保存期間は何年?

運行終了日から1年間です。営業所で正本・副本ともに保管します。

副本を紛失したら?

速やかに運行管理者に連絡してください。再発行と経緯記録が必要になります。

参考にした公的・業界資料

この記事を書いた人

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